地唄舞の演者として著名な出雲蓉が贈る珠玉の公演会「第55回出雲蓉の会」が、5月19日、国立能楽堂で行われます。

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地唄舞は、女性が育んできた日本の伝統芸能

地唄舞は京都や大阪で室内舞踊として発達した芸能です。京都の貴族たちが伝えてきた舞を源に、能の「仕舞」を柔かく崩し、17世紀初頭、庶民の娯楽として成立したのが地唄舞です。その発達のプロセスから、主として色町の芸者によって舞われたこと、さらにその場所も料亭など室内の精々10平方メートル程度の小空間で行われ、舞台装置も用いず、扇子1本だけで舞われたため、特有の制約が、新しい技法を生み出すことになりました。

地唄舞は、女性が育んできた数少ない日本の伝統芸能と言えます。

舞のテーマの多くは、封建時代の日本社会における男女の愛が、女性の立場から描かれており、別離に耐える女の悲しみが歌われています。

独自の「舞夢(まいむ)」を取り入れた魅力溢れる舞台

今回の公演は、この地唄舞の演者として著名な出雲蓉が主催する公演で、出雲蓉は義太夫の源平合戦の一谷の戦いを題材とした「一谷嫩(ふたば)軍記」と、地唄の「古道成寺」を演ずる。特に「古道成寺」では、独自の「舞夢」技法を取り入れた振り付けで一人4役を演ずるという圧巻の舞台となる。

その他、狂言師で人間国宝の野村万作による狂言語りと小舞「敦盛最後」や、能小鼓方の曽和正博による能「敦盛」より一調一管「中ノ舞」も演奏されるという魅力溢れる公演となっている。

第55回出雲蓉の会

■日時:5月19日(日) 午後2時開演(午後1時15分開場)

■場所:国立能楽堂
 JR千駄ヶ谷駅徒歩5分/大江戸線国立競技場駅A2出口徒歩1分

■演目
一調一管 能「敦盛」より『中の舞』
義太夫「一谷嫩軍記」
狂言「敦盛最期」
地唄「古道成寺」

(国立能楽堂)