山、鉾、屋台などと呼ばれる山車(だし)が巡行する日本の祭り33件が、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。ここでは、祭り写真家の森井禎紹さんの写真とレポートで、その33件を北から都道府県別にご紹介していきます。
今回は、青森県の八戸三社大祭、秋田県の花輪ばやし、角館の祭り、土崎港曳山祭りです。

八戸三社大祭(青森県)

約300年の歴史と伝統を誇る東北屈指の華やかな祭りです。豊作加護と報恩のため始まりました。三社とは龗(おがみ)神社、新羅神社、神明宮のことを言う。

祭りの華はなんといっても山車。各町内会や企業のグループが6月の初めに頃から一斉に山車作りを始める。題材には源平の合戦など軍記物や日本の神話等々、縁起のよいバラエティに富んだものが好まれ、山車は、大通りでは左右の仕掛けをせり出して、道幅いっぱいに広がる。

1台に大太鼓1つ、小太鼓5つ、引き子など150名から250名で運行。全27台の山車が、宵闇に極彩色を放つ歴史絵巻に陶酔する絢爛豪華な山車行列である。

開催日:7月31日、8月1日、2日、3日

開催地:青森県八戸市龗神社、新羅神社、神明宮

問合せ:八戸コンベンション教会 Tel:0178-41-1661

花輪ばやし(秋田県)

花輪の総鎮守、幸い稲荷神社に奉納される祭礼囃子。「産土神さん」として親しまれるこの神社は、古くから土地の篤い信仰を受けてきた。

幸稲荷神社の祭典は本殿からの神輿の渡御があり、町通りを一巡し、ご神体は20日に還御されるまでの5日間、里宮として御旅所に安置される。中でも後半の2日間は花輪はやしという名称で賑わいを見せる。

第1日は御旅所でサンサが見られ、全町内揃い踏みです。2日目のは昼は、町内自主運行、夜は駅前行事として全町揃い踏み円陣を組み、お囃子の共演がある。各町内の屋台は10基である。

開催日:8月19日、20日

開催地:秋田県鹿角市幸稲荷神社

問い合わせ:鹿角市観光振興課 Tel:0186-30-0248

角館の祭り(秋田県)

角館神明社と成就院薬師堂の祭典に併せて行われる祭りで、18町内から出される武者人形や歌舞伎人形を飾った大型の「山」を江戸時代から残る町並みを曳き廻す。「山」には「おやま囃子」の囃子が糊囃子に併せて「手踊り」が舞われる・「山」は神明社へ参拝し、江戸時代の角館を納めた」佐竹北家当主の上賢を仰ぎ成就院薬師堂を参拝する。

この祭りは江戸時代から神仏への進行と共に地域の反省、豊作、無病息災を願い角館の人々によって脈々と受け継がれてきた。

この祭りの名物が「山」同士の激突「やまぶっつけ」で、基本的には9日の深夜に多くみられるが、いつ、どこで行われるかは決まっていない。

開催日:9月7日、8日、9日

開催地:秋田県仙北市角館

問い合わせ:仙北市教育委員会文化財課 Tel:0187-3384

土崎港曳山祭り(秋田県)

この祭りは土崎神明社の祭礼であり、秋田の夏を熱く彩る「港曳山祭」の愛称で親しまれている。曳山の名物は、勇壮な歴史上の名場面を切り取った武者人形の飾り付けと、裏面の社会を大胆な切り口で諷しした「見返し」である。

21日は午前中に旧穀物町に全曳山が集結し、一斉に「寄せ太鼓」を演奏する。御旅所に向かう御輿をお迎えした後、1号車から順次愛染町へ向けて出発、午前8時の打ち上げ花火を合図に、各町の曳山が各自の町へ帰る「戻り曳山」でクライマックスを迎える。

哀愁を帯びた「あいや節」の音色、揺ぐ角灯籠の灯火、力の限り曳山を引く「じょやさ」の声に祭りは躍動し、そして感動と興奮の中に祭事は終わる。

開催日:7月20日、21日

開催地:秋田犬秋田市土崎港神明社

問い合わせ:土崎港曳山祭実行委員会 Tel:018-845-2264

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。