神社にはお守りやお札だけではなく、厄除けや縁起物を象ったユニークな授与品も多い。全国から選んだ、見た目も愛らしく、傍に置きたくなるようなご利益アイテムを一堂に紹介します。

獅子頭守り(ししがしらもり) 神奈川県・鎌倉宮

御祭神・護良親王(もりながしんのう)が兜に獅子のお守りを忍ばせたということから、獅子頭は創建当時から鎌倉宮のシンボル。獅子頭の「厄を食べ、幸せを招く」という言い伝えにあやかり、厄除けのお守りとして愛されている。振るとカタカタと口を開閉する姿もユニーク。大/約15.5㎝ 中/約10.5㎝ 小/約7㎝。

千疋猿(せんびきざる) 大阪府・住吉大社

住吉大社では土人形の授与品が多く、中でもこの「千疋猿」は10匹の猿がまるで組体操のように重なった珍しいもの。古くは50匹もの猿が重なったものも作られていたそうで、数の多さから「千疋猿」と名付けられたとか。立身出世、喜びが「重なる」などの意味がある。高さ約15㎝。

種貸しさん(たねかしさん) 大阪府・住吉大社

住吉大社の境内にある「種貸社」の授与品。ふっくらと笑う巫女が両手に大切に赤ん坊を抱いた、見るからに福々しい土人形。名前の通り、子宝祈願のお守りとして人気がある。子宝を授かったら種貸社へご報告とともに奉納しよう。高さ約5㎝。

神鶏鈴(しんけいすず)三重県・伊勢神宮

その昔、天岩戸に天照大神がお隠れになった時に、長鳴鳥を集めて鳴かせ、神々がお神楽を奉納して天照大神を呼び出したと古事記に伝わる。以来、鶏は太陽を呼び出すものとして、縁起がいいとされる。神鶏のつがいを象った土鈴は、平和楽土の象徴。雄鶏/高さ約7.5㎝ 雌鶏/高さ約6.5㎝。

八咫烏だるま(やたがらすだるま) 和歌山県・熊野三山

神武天皇を導いたとされる三本足の烏、「八咫烏」。熊野信仰のシンボルとして、古くから親しまれてきた神様の遣いをダルマにした縁起物。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の各参道や土産物屋で手に入る。小/高さ約9㎝

英彦山がらがら(ひこさんがらがら) 福岡県・英彦山神社

その昔、酷い干ばつがあった時、文武天皇が英彦山に使いを出して祈願させると直ちに霊験があったため、お礼に鈴を奉納した。その鈴を複製し、参拝者へ頒布するようになったのが始まりという。家の門口に吊るしたり玄関に飾ると、魔除けになると言われる。長さ約14㎝、鈴本体約3㎝。

鷽の土鈴(うそのどれい) 東京都・亀戸天神

「去年の悪しきもウソとなり、まことの吉に鳥替えん」と、江戸の頃から伝わる「うそ替え神事」を行う亀戸天神のお守り。鳥のウソを象った愛らしい姿が多くの人に愛されている。通年入手できるこの土鈴のほか、毎年1月24・25日だけ授与される木彫りのうそもある。高さ約4㎝。

神狐(しんこ) 東京都・花園稲荷神社

縁結びで知られる上野・花園稲荷の縁起物。全国で「お稲荷さん」と親しまれる稲荷神社のシンボルである二対の狐は、縁結びや商売繁盛のご利益があるという。すんなりと伸びた美しい姿に愛らしい顔はどこか神々しくもある。授与は隣接する五條天神社の社務所にて。高さ約10cm。

まが玉鈴(まがたますず) 東京都・白鬚神社

近江最古の神社といわれる、滋賀県・白鬚(しらひげ)神社で授与されている「まが玉鈴」を、分霊を祀った墨田区向島の白鬚神社でも授与。3色の鮮やかな色をした勾玉形の土鈴は、三種の神器の一つ八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を模したもの。神棚や玄関に飾れば、厄除けのご利益があるとされる。

破魔鬼(はまき) 愛媛県・伊曽乃神社

恐ろしいイメージのある鬼は、かつては初春に村や家々を訪れ、一年の豊作を祝福してくれる神々の仮の姿でもあったそう。どこかユニークな顔をしたこの鬼も、名前の通り魔除けや開運厄除など、繁栄をもたらしてくれる福の神として参拝者に愛されている。高さ約4cm。

安鯛みくじ(あい鯛みくじ) 埼玉県・川越氷川神社  

「一年安泰」の願いを込めて、鯛の形をしたおみくじを5年ほど前から頒布。引くのではなく、「釣る」という授与の仕方も楽しく、子どもから年配の人まで人気。「安鯛みくじ」のほか、恋愛運を教えてくれる「あい鯛みくじ」もある。

お馬みくじ 京都府・上賀茂神社

神様を迎える際に馬を走らせたことから、馬に関わりが深い上賀茂神社。じつは、日本の乗馬・競馬発祥の地という説もあるそう。その言い伝えにちなみ、かわいい木彫りの馬が口におみくじを加えた「お馬みくじ」を通年頒布している。

八咫烏みくじ(やたがらすみくじ) 京都府・上賀茂神社

神武天皇が大和へ入る際に、賀茂氏の始祖である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が八咫烏に化身して一行を先導したとの伝説が残るため、上賀茂神社には八咫烏のおみくじが。「導く」鳥なだけに、おみくじにぴったり。

鹿みくじ 奈良県・春日大社

その昔、神様が白い鹿に乗って現れたという言い伝えから、春日大社で神の遣いとされている鹿をモチーフにしたおみくじ。奈良県特産の木彫工芸「一刀彫」で作られており、一頭ずつ顔が違う。お気に入りの鹿を選んでご神託を頂けば、いっそう有難みが増しそう。