Part1では、佐渡の長畝生産組合のトキと共に生きる「生きものを育む農法」を紹介しましたが、今回は苗づくりから始まる米づくりの1年を紹介します。田植えや稲刈りはご存知かと思いますが、その前後ではなにが行われているのでしょうか。長畝生産組合での米づくりにおける、1年の作業を追ってみました。(協力:長畝生産組合)
Keyword : 世界農業遺産の島・佐渡 / トキと共に育まれる米
【春】 田植えに向けて
種まき・育苗
①種籾を土の入った育苗箱にまく。育苗箱の大きさは決まっていて、育った苗は田植機にそのままセットできるようになっている。
②③水と温度を管理して発芽させ成長させる。
④ビニールハウス内で12〜15cmくらいまで成長させる。
田起こし・代かき
トラクターで水田の土を耕す田起こし、水を引き入れてから代(しろ)かきを行い、平らな田んぼとして田植えをできる状態にする。
田植え
ビニールハウスで育てた苗を田植機で水田に植えていく。現在の田植機は乗用型がほとんどだが、歩行型もある。大きなものでは一度に8条(列)の苗を植えることも可能。
【夏】 稲の成長を促す作業
中干し・水管理
初夏を迎えると、土中に酸素を補給して根の張りを強くするために、水田の水を抜いて、土にひびが入るまで乾燥させる中干しを行う。
排水がスムーズにできるように溝きりを行うこともある。
除草・追肥
夏の盛りには雑草も生えてくるので、水田の中はもちろんまわりの畦も除草を行う。
稲の状態を見て、追肥をする。
【秋】 収穫からお米となるまで
稲刈り
稲穂が黄金色に輝いたならコンバインで刈り取っていく。
コンバインは稲を刈り取りながら脱穀まで行うことができ、ここでお米は籾の状態となる。籾は、トラックなどで集められる。
乾燥・籾すり
集められた籾はライスセンターに運ばれる。ここで乾燥機により一晩乾燥され、うす摺で玄米となり、色彩選別機を通してJAに出荷します。
【晩秋・冬】 翌年への準備
土づくり・冬水田んぼ
稲刈りを終えた水田は、トラクターで耕し稲わらをすき込む。稲わらは土の中で分解され翌年の肥料となる。
田んぼに水を入れ冬水田んぼ(冬期湛水)にすることにより、豊かな生態系が保全される。