北から南へ、高山から低地へ、錦のさざ波が日本列島を覆います。
美しい日本の秋を満喫してみてはいかがでしょう。

西湖・紅葉台(山梨県鳴沢村)

紅葉台の頂上へ続く道は一部未舗装区間があるので、車高の低い車は注意が必要。西湖や河口湖の北岸に延びる県道21号(通称:湖北ビューライン)も紅葉の名所として有名です(下)。

樹海や西湖を眼下にする360度の大パノラマが広がる。

西湖の南に位置する小高い丘、紅葉台の頂上にはレストハウスがあり、その屋上展望台からは360度の大パノラマが展開。黄、赤、緑…と多様な樹種が描き出す紅葉のカラフルなグラデーションは見応えたっぷりで、もちろん雄大な富士山の姿も拝めます。
展望台入場料150円/紅葉台展望レストハウス

◆紅葉の見頃:10月下旬〜11月中旬

<アクセスガイド>
◎富士急行・河口湖駅からバスで約25分、「紅葉台入口」で下車して徒歩約25分。
◎中央道・河口湖ICから国道139号などを経由して約11㎞(一部、未舗装路あり)。

戸隠・鏡池(長野県長野市)

戸隠高原の西、県道36号の大望峠や国道406号の白沢峠からは、紅葉の里山と冠雪した北アルプスという風景も目にすることができます(下)。

まるで鏡のように戸隠連峰を映し出す水面。

長野市の北西に広がる戸隠高原周辺では、平地より一足早い紅葉を楽しむことができます。なかでも人気は戸隠神社奥社の近くにある鏡池。早朝など、風の吹かない時間帯には鏡のようになった水面が周囲の見事な紅葉や戸隠連峰の姿をくっきりと映し出します。

◆紅葉の見頃:9月下旬〜10月中旬

<アクセスガイド>
◎JR長野駅から路線バスで約1時間、「鏡池入口」バス停から徒歩約30分。
◎上信越道・須坂長野東ICから約1時間、上信越道・信濃町ICから約30分。

駒ヶ岳・千畳敷カール(長野県駒ヶ根市)

ロープウェイの窓から眺める紅葉も見事なもの。運賃は往復で2,260円(下右)。山麓の大沼湖畔から見上げる駒ヶ岳(下左)

ロープウェイを降りれば天上の別世界が広がる。

駒ヶ岳ロープウェイは1,000m近い標高差を所要時間約7分30秒で一気に駆け上がっていきます。終点の千畳敷駅は標高2,612m。本州では最も早い時期から紅葉を楽しめるスポットの一つとなっています。千畳敷カールというのは、氷河に削り取られて生まれた巨大な窪地で、遊歩道を歩けば30分ほどで一回りすることが可能。ナナカマドやダケカンバに彩られた天上の別世界を堪能できます。

◆紅葉の見頃:9月中旬〜10月中旬

<アクセスガイド>
◎JR駒ヶ根駅から路線バスで約15分、菅の台バスセンターでシャトルバスに乗り換え約30分で「しらび平(ロープウェイ乗り場)」。
◎中央道・駒ヶ根ICから約2km/5分で菅の台バスセンター(その先マイカー進入禁止)。

黒部渓谷トロッコ電車(富山県黒部市)

黒部峡谷のトロッコ電車には、オープン型の普通客車の他、窓付きのリラックス客車などもあります。

黒部の清流と針葉樹の緑が峡谷の紅葉をさらに引き立てる。

日本三大峡谷の一つで、「日本の秘境百選」にも選ばれている黒部峡谷は、手つかずの大自然と出合えるエリア。宇奈月温泉から黒部川の源流に沿って走るトロッコ電車で旅をすれば、壮大な原生林の紅葉をたっぷりと堪能することができます。宇奈月から終点欅平までの所要時間は1時間15分。

◆紅葉の見頃:10月下旬〜11月中旬

<アクセスガイド>
◎北陸新幹線・黒部宇奈月温泉駅で富山地方鉄道(新黒部駅)に乗り換え、宇奈月温泉まで約25分。
◎北陸道・黒部ICから県道53号、14号などで約13㎞/20分。

足助・香嵐渓(愛知県豊田市)

香嵐渓のシンボルとなっているのが待月橋。絶好の撮影ポイントです(下左)。香嵐渓を流れるのは矢作川の支流、巴川。清らかな流れに映し出される紅葉も実に見事なもの(下右)。

夜間のライトアップが幻想的な雰囲気を醸し出す。

かつて三河湾と信州を結ぶ飯田街道の要衝として大いに栄えた宿場町・足助(現:豊田市)。その町外れにあるのが香嵐渓です。香積寺周辺に育つ数千本のモミジは、今から380年ほど前に1人の和尚が手植えしたのが始まり。大正末年から昭和初期には住民有志によりモミジの大植樹も行われ、国内有数の紅葉の名所となりました。例年11月中は日没から夜9時までライトアップも実施。

◆紅葉の見頃:11月中旬〜下旬

<アクセスガイド>
◎名鉄名古屋本線・東岡崎駅から路線バスで約1時間10分。
◎東海環状道・豊田勘八ICから約12㎞/20分。