四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取る。
写真・文 : 森井 禎紹 Teiji Morii
城下町を練り歩く巨大な曳山(ひきやま)
九州北部の秋祭りの呼称「くんち」。日本三大くんちの一つ「唐津くんち」は、唐津神社の秋季例大祭です。
11月2日、3日、4日の3日間、唐津の町は祭り一色。
2日の「宵山」は、各々の山に提灯を飾り、灯をともして町内を練り歩き唐津神社に集結します。翌日3日は、「お旅所神幸」、お旅所のある西の浜までの巡行が始まります。西の浜での曳き込みは迫力満点! そして、4日の「町廻り」は掛け声とともにフィナーレへ。
秋風に流れる笛、太鼓、鉦、曳山囃子のリズムに合わせて「エンヤ、エンヤ」「オイサ、オイサ」と掛け声が響きます。勇壮華麗な14台の曳山は、それぞれ獅子や竜、浦島太郎と亀、兜など、昔話に登場するようななじみ深いものばかり。
高さ7メートルあまり、重さ2~5トンもの重量があり、赤、青、金などの極彩色に美しく化粧した曳山を、いなせなハッピ姿の曵き子たち数百人が威勢よく曵き廻す様は、まさに圧巻、絵巻物のようです。
神社から1キロメートル離れた「お旅所」への曵き込みは砂地で車輪がめり込む難所。曵き子たちが一丸となって所定の位置に曳き込むところで、祭りはクライマックスを迎えます。
<唐津くんち>
開催日:11月2、3、4日
開催地:佐賀県唐津市南城内3-13 唐津神社
問い合わせ:唐津観光協会 Tel:0955・74・3355
アクセス:JR唐津線「唐津駅」より徒歩約13分