四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年5月に兵庫県南あわじ市市で行われる市沼島八幡神社夏祭りです。
写真・文 : 森井 禎紹 Teiji Morii
Keyword : 兵庫県南あわじ市沼島 / 沼島八幡神社夏祭り
沼島は人口1000人足らずの小さな島で、本格的な祭りが行われるようになったのは江戸時代に入ってからといわれ、本来は漁師が魚を休ませる「放生会」が起こりという。祭りには引きだんじり3台、布団だんじり2台の計5台が出る。沼島八幡神社で神事が行われている中で、だんじりは、待ち兼ねたように街中を激しく練る。午前11時30分、男衆に担がれたみこしが約80段の石段を一気に下りてくると、祭りは最高潮だ。
みこしの担ぎ手はハッピに脚絆姿、だんじりののぼりは、織田、豊臣、徳川もの「戦」の旗、打ち鳴らす太鼓は陣太鼓、豊臣秀吉の朝鮮出兵に出陣した沼島水軍の流れをくむという。お旅の途中、引きだんじりは勇猛さを競うように海中にも飛び込む。その度に沿道から拍手が湧く。
沼島八幡神社夏祭り
開催日:毎年5月4日
開催地:兵庫県南あわじ市沼島 沼島八幡神社
問い合わせ:南あわじ市沼島出張所 TEL:0799-57-0001