北から南へ、高山から低地へ、錦のさざ波が日本列島を覆います。
美しい日本の秋を満喫してみてはいかがでしょう。

メタセコイア並木(滋賀県高島市)

滋賀県高島市の農業公園、マキノピックランドの近くにあるメタセコイアの並木道。もともと日本では化石でしか見られなかったメタセコイアは、1945年に中国奥地で同種が発見され、その後、日本各地の公園や校庭に植樹されています。

黄色から濃いオレンジに色づく紅葉のトンネルを駆け抜ける。

針葉樹でありながら、落葉する前に黄色から濃いオレンジへと鮮やかに色づくメタセコイアの木。生長すると樹高30mにも達する、この巨木の並木道が琵琶湖の西岸にあります。およそ2.4㎞の直線道路の両側に植えられたメタセコイアの木は500本あまり。左右から立派な枝を道路上に伸ばしているため、車で走るとまるで黄金色のトンネルを駆け抜けていくような気分が味わえます。

◆紅葉の見頃:11月上旬〜下旬

アクセスガイド

◎JRマキノ駅からマキノ高原行きタウンバスで約6分。

◎名神高速・京都東ICから国道161号などを経由して約60㎞。

 

大山・鍵掛峠(鳥取県大山町/江府町)

伯耆(ほうき)富士の名のとおり、西の米子側から眺める大山は富士山のような端正な姿をしています(下左)。大山寺から大神山神社奥宮へ延びる参道の紅葉も見事。約800mの石畳は自然石の参道としては日本一の長さ(下右)。

名峰・大山をバックに七色に染まる山麓の紅葉。

山塊の北側と南側が荒々しく削り取られているため、見る角度によってその姿が大きく変化する大山。山岳信仰の対象でもあったこの名峰の裾野には、手付かずの原生林が広範囲に残っていて、ブナやカエデ、ナナカマドなどが色とりどりに紅葉していきます。大山の南壁を仰ぎ見る鍵掛峠をはじめ、大山を一回りする県道(通称:大山環状道路)沿いには展望スポットも数多く点在。

◆紅葉の見頃:10月下旬〜11月中旬

アクセスガイド

◎米子道・蒜山ICから蒜山大山スカイライン、県道45号などを経由して約23㎞/50分、米子道・溝口ICから県道45号を経由して約12㎞/25分。

 

石鎚スカイライン(愛媛県久万高原町)

全長約18㎞の石鎚スカイライン。かつては有料道路だったこともあり、気持ちのいいドライブを楽しめます。終点の土小屋駐車場から山頂までは徒歩3時間弱。紅葉シーズンには大勢の登山客で賑わいます。

晴れわたると瀬戸内海や中国・九州の山並みも遠望。

西日本の最高峰である石鎚山の標高は1,982m。平地より一足早い色鮮やかな紅葉を楽しめるだけでなく、石鎚スカイラインの終点あたりからは、晴れわたった日には瀬戸内海、中国地方や九州地方の山並みも遠望できる大パノラマが広がります。

◆紅葉の見頃:10月上旬〜中旬

アクセスガイド

◎JR松山駅からJRバスで「久万中学校前」下車、伊予鉄バスに乗り換え、石鎚スカイライン終点まで約3時間(伊予鉄バスは平日運休)。

◎松山道・松山ICから国道33号などで石鎚スカイライン入口まで約48㎞/1時間30分。

 

九重“夢”大吊橋(大分県九重町)

由布院温泉と阿蘇を結ぶ九州随一のドライブルート、やまなみハイウェイも間近。飯田高原の南、長者原の長い直線路のまわりには一面のススキ野原が広がります。

日本一の歩道専用大吊橋から筑後川源流域の紅葉を満喫する。

平成18(2006)年に開業した九重“夢”大吊橋は全長390m。歩道専用の吊橋では日本一の大きさを誇り、空中散歩の気分で鳴子川渓谷の紅葉を満喫することができます。入場料500円/開場時間8:30~17:00(季節により変動、悪天候による入場制限あり/九重“夢”大吊橋管理センター)

◆紅葉の見頃:10月下旬〜11月中旬

アクセスガイド

◎JR豊後中村駅から路線バスで約25分(「大吊橋中村口」下車)。

◎大分道・湯布院ICからやまなみハイウェイ(県道11号)などを経由して約22㎞/40分。

 

菊池渓谷(熊本県菊池市)

名水百選にも選ばれている菊池渓谷。菊池阿蘇スカイライン(県道45号)を東に進めば、阿蘇外輪山の稜線伝いに延びるミルクロードと合流。大観峰をはじめとする阿蘇の絶景スポットも満喫できます。

阿蘇外輪山に源を発する渓流が色鮮やかに染まる。

阿蘇外輪山の清らかな伏流水が流れる菊池渓谷は、その手付かずの自然の美しさから「渓谷美の極致」とも評されています。大小さまざまな瀬や渕、滝が生み出す変化に富んだ風景は、モミジやカエデ、ケヤキやシラキの紅葉で鮮やかに彩られます。

◆紅葉の見頃:10月下旬〜11月中旬

アクセスガイド

◎土日・祝日などは菊池温泉から相乗りタクシーが運行(要予約)。

◎九州道・植木ICから国道387号/菊池阿蘇スカイラインなどで約28㎞/1時間。

 

文: 佐々木 節 Takashi Sasaki

編集事務所スタジオF代表。『絶景ドライブ(学研プラス)』、『大人のバイク旅(八重洲出版)』を始めとする旅ムック・シリーズを手がけてきた。おもな著書に『日本の街道を旅する(学研)』 『2時間でわかる旅のモンゴル学(立風書房)』などがある。