四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。
人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。
今回は「三河鳥羽の火祭り」。毎年2月・第2日曜日、愛知県西尾市鳥羽町鳥羽神明社で行われます。
写真・文 : 森井 禎紹 Teiji Morii
天下の奇祭「鳥羽の火祭り」は、天空をも焦がす熱狂の炎、恐れ知らずの鳥羽男達の勇猛果敢な挑戦が今始まる。約1200年前から伝えられている祭だ。祭のシンボルである「すずみ」は竹や茅などで作られ、高さ5メートル、重さ2トン。中には「神木」と、1年を表す「十三縄」が納められ、それが2機作られる。
午後7時30分、「すずみ」に点火され火祭りが始まる。神主の合図で、西側の「福地」、東側の「乾地」の2つの地区に分かれた奉仕者達が、厄男を中心に炎の中に飛び込む。神木と十二縄を競って取り出し神前に供える。午後3時頃、寒風の中、海岸まで走っていき、裸で海に入り身を清める。午後8時39分頃、祭は終わる。奉仕者は特別な祭衣裳をまとい、すずみを揺らすその姿、形から「ネコ」と呼ばれる。
三河鳥羽の火祭り
開催日:毎年2月・第2日曜日
開催地:愛知県西尾市鳥羽町鳥羽神明社
問い合わせ:西尾市観光協会 Tel:0563-65-2169
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