四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は5年に1回9月23日に行われる8滋賀県の「春照(すいじょう)太鼓踊り」です。

5年に1回9月23日に開催される米原市の祭り。次回は2024年9月23日予定。

長期にわたる干ばつに苦しんだ農民が始めたものと言われている。

秋葉神社前から北国脇往還を八幡神社へと、村を挙げての踊りの行列は、奴振りを先頭に、山火牛、ふくべ振り音頭、笛、鉦、太鼓と300名に及ぶ行列の波が続く。

奴振りが、昔そのままの勇姿で練り歩き、原には各々絵を描いているのがユニークである。

八幡神社に着くと、昔ながらに菅笠、緋色の手甲脚絆、揃いのカルサンと色彩豊かな衣裳で、ひたすら雨を乞う願いがアヤ折となって秋空にこだまし、踊り手達のバチさばきも一層冴えてくる。

<春照(すいじょう)太鼓踊り>
開催日:9月23日、5年に一度の開催。次回開催は2024年9月23日〜
開催地:滋賀県米原市春照

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。