四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年7月に行わる熊本の「御田植神幸祭(おんだ祭り)」です。

神様に田植えを見ていただくことで秋の豊作を願う

御田植神幸祭は通称「おんだ祭」とも呼ばれ、阿蘇神社の年中行事の中で最大規模のものです。神様がお乗りになられた4基の神輿を中心に、田男、田女、牛頭などの農耕に関する人形、神様のお食事を運ぶ約を担った全身白装束の「宇奈利」と呼ばれる女性たち、約200人の行列が青田の中を練り歩きます。

この磁器の稲の育ち具合を神様にご覧いただくことによって、秋の豊作を祈願するものです。

行宮は2箇所あって、それぞれに仮宮が設けられ、一の行宮、二の行宮という、ここで神事がある御田植式がある。神輿を神に見立てて、神職たちが苗木を屋根に投げ上げる。

御田植神幸祭(おんだ祭)

開催日:7月28日
開催地:熊本県阿蘇市阿蘇神社
熊本県阿蘇市一の宮町宮地3038-1
お問い合わせ:電話=0967-22-0064(社務所 9:00-17:00)

阿蘇神社ホームページ
http://asojinja.or.jp

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。