四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。

つぶろさし=新潟県佐渡市羽茂村

四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。毎年、6月15日に佐渡島の南西部に位置する羽茂村の菅原神社と同村草刈神社で奉納される太神楽が行われますが、その中のメインの出し物が「つぶろさし」です。
これは、五穀豊穣を願って神社に奉納される神楽の一種。約500年前から創始の型のまま保存されているという郷土芸能で、新潟県の無形民俗文化財にも指定されています。

『つぶろさし』とは男性の役どころの名前のことで、男根を模した棒を持って、滑稽に乱舞するこの男性のもとに二人の女性(ささらすり、銭太鼓)が入り乱れる形となって妖艶な踊りを披露します。

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。