四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年4月に相倉集落で行われる五箇山春まつりです。

春の到来を喜び合う

相倉集落が一度に沸き立つ春まつりは、4月20日と21日の両日、本祭りは早朝の宮参りから各家の祭が始まる。

神棚に御神酒が供えられ、女達はごちそう作りに追われる。

相倉の獅子は、子どもの獅子とりが2〜3人頭にツヤグマをつける。

太鼓叩きに台担ぎ、笛吹き、鉦叩き、旗持ちの人数を入れると20人以上にもなる。

獅子宿を出るとまず宮入して、各家を回る。家の前、座敷の外へ舞い込む。

夜にかかると宮の境内で夜獅子が始まる。

春祭りは、冬に別れを告げて気分を一新し、春の到来を喜び合うと同時に、豊作祈願を込めた行事だという、「祇園囃子」「京振り」「獅子殺し」「七五三」などの舞を披露しながら五箇山のどこかで5月10日過ぎまで、これらの舞に出会える。

五箇山春まつり

開催日:4月20日〜5月10日過ぎ
開催地:富山県南砺市下梨
問い合わせ:五箇山観光協会
TEL:0763-66-2468

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。