日本全国を回る写真家・青柳健二氏が撮影した残しておきたい日本の風景。今回は山梨県の「ころ柿の里」です。

山梨県甲州市「ころ柿の里」

11月から12月にかけて、武田信玄の菩提寺である恵林寺界隈で、「ころ柿(枯露柿)」と呼ばれる干し柿づくりの光景が見られる。甲州でころ柿がつくられるようになったのは、武田信玄の奨励があったからだと言われている。

甲州百目柿という渋柿の皮をむいてからつるして天日干しすると、1カ月ほどでまわりに白い粉がふき、甘みが凝縮した極上の干し柿ができる。よく日が当たって乾燥するように、ころころと回転させることから「ころ柿」の名がついた。

写真・文: 青柳健二 Kenji Aoyagi

写真家。日本やアジアの風景を撮り続ける。とくに現在は人間と自然がいっしょに
なって作り上げた田園風景を求めて全国各地を旅している。主な著書に「メコン川」
(NTT出版)、「棚田を歩けば」(福音館書店)など。