<京都> 五感から知る言葉にならない日本の美。4月19日 開催

460余年の歴史をもつ京友禅の老舗・千總を母体とした千總文化研究所は、大人が日本の文化芸術を学ぶワークショップ・講演会シリーズ「五感から知る言葉にならない日本の美」の第3回を2025年4月19日(土)に依水園・寧楽美術館(奈良市水門町74)にて開催します。

第3回のテーマは、「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」で、漆芸家の小西寧子氏を迎え、漆と螺鈿の美しさ、漆工品のものづくりについての講演があります。

会場は、国指定文化財である奈良市の「依水園」。プログラム後半は小西寧子氏の作品鑑賞茶会と庭園見学を行います。

小西寧子作「鋸歯文(きょしもん)螺鈿箱」

日本の伝統工芸では、その土地土地で採取される天然素材を活かし、その気候風土や歴史を映す美意識と技が培われてきました。

螺鈿は、真珠層と呼ばれる貝殻の内側の美しい面を模様の形に切り取り、器物を飾る技法で、世界各地に見られます。「鈿」は飾る、「螺」は巻貝を意味し、貝は夜光貝、鮑や白蝶貝、黒蝶貝などが使われます。日本には奈良時代に中国から螺鈿の品々がもたらされ、漆と組み合わされて日本の工芸技術として独自の発展を遂げました。螺鈿の中でも1ミリほどの厚みのものを「厚貝螺鈿」、0.1ミリ以下まで薄くしたものを「薄貝螺鈿」と呼び、厚みが異なることで、貝の光り方、煌めく色の表情が異なります。

奈良の漆工芸は、厚貝螺鈿を用いた正倉院宝物の修理や復元を手掛ける職人が輩出された背景から、厚貝螺鈿の技術が継承され、天平の美を今に伝えています。

名勝(国の文化財)に指定された庭園を持つ依水園にて、奈良の風土を感じながら螺鈿の材料や道具、作品を手に取りご鑑賞いただきます。漆芸家が見出す「素材が持つの光」を、皆様と共に探訪します。

■小西寧子作「螺鈿重ね箱」

■依水園

【プログラム概要】
第3回 「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」小西寧子氏(漆芸家)
会場 :公益財団法人名勝依水園・寧楽美術館(奈良市水門町74)
日時 :2025年4月19日(土)13:30~15:40 (受付:13:00)
定員 :先着30名
参加費:30,000円
〈お申し込み〉
期日:2025年4月13日(日)まで *定員になり次第締め切ります
千總文化研究所公式ウェブサイト内「研究会・イベント」ページ( https://icac.or.jp/event/#booking )、または下記QRコードよりお申し込みください。

【公演者プロフィール】
小西寧子(漆芸家)
1968年、奈良生まれ。京都女子短期大学部文化国語専攻卒業。1992年、結婚を機に実家の家業である漆工芸を始める。父・北村昭斎(重要無形文化財保持者)に師事。2006年、文化庁文化財修理技術者講習会修了、2009年「螺鈿の系譜 人間国宝 北村昭斎展」(高島屋大阪店)に出品。ギャラリーきのわ(奈良市)にて個展開催。2012年、国際漆芸玩飾展(北京 QIAO GALLAERY)出品、2013年、「北村繋・小西寧子二人展」(高島屋大阪ギャラリーNEXT)開催、2015年~2017年、「工藝を我らに」展(資生堂アートハウス)に出品。受賞歴として、2001年日本伝統工芸近畿展近畿支部奨励賞受賞、2011年第40回日本伝統工芸近畿展にて奈良県教育委員会長賞。

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