太陰暦の時代、春夏秋冬それぞれを6つに分けて24等分し、その区切りと区切られた期間の季節を表すために作られた二十四節気。七十二候はそれをさらに3つの項に細分して1年の移ろいを表したものです。些細な兆しからいつしか劇的な変化を遂げていく日本の四季の表情を、水城 ゆうがピアノで表現します。
立夏 りっか
私はこの季節に生まれた。立夏から立秋までを暦の上では夏期というらしい。私は夏期のはじめに生まれて育った。もちろん記憶にはないけれど、そのせいかどうか、この季節は好きだ。
近年には気候変動も大きくてゲリラ豪雨だの竜巻だの、巨大台風だのがつぎつぎとやってきたり、猛暑も半端ではない過酷さになってきたが、それでもこの季節が好きだ。
ガンの専門医からは「この誕生日までは難しいですよ」と告知されているけれど、まだ好きな季節を楽しめている。好きな季節を楽しみ、楽しみながら生きてすごす。その終わりがいつなのか、だれにもわからない。(水城ゆう)
二十四節気で夏の始まり。春分と夏至のちょうど中間に当たり、この日から立秋の前日までが夏季となります。日差しも強まり気温が高くなる日もありますが、本格的な夏はまだ先のこと。野山や草木は青葉の深みを増し、湿度も低く風も爽やかで、1年を通して最も過ごしやすい季節といえるでしょう。5月5日は五節句の1つ「端午の節句」。3月3日の「上巳の節句」が女児の健やかな成長を祈るひな祭りとなったように、この時期に咲く菖蒲=勝負にちなみ、男児の成長を祝う行事となりました。現代では「こどもの日」として祝われています。
二十四節気「立夏」七十二候
立夏【初候】第十九候・5月6日 蛙 始 鳴 かわず はじめてなく
立夏【次候】第二十候・5月11日 蚯 蚓 出 みみず いずる
立夏【末候】第二十一候・5月16日 竹 笋 生 たけのこ しょうず
シラン
ラン科シラン属の宿根草。古くから日本に自生する地生ランで、「紫蘭」と書くが白や黄、青花もある。
栽培が難しいといわれるラン科の中では育てやすく、可憐で美しい花や葉茎から多くの人に愛され親しまれている。