四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。
人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。
今回は秋田県横手市で行われる梵天です。
写真・文 : 森井 禎紹 Teiji Morii
梵天。豪華絢爛な祭りだ。
「ぼんでん」とは、弊束(へいそく=神に捧げる捧げ物)のこと。
250年以上の伝統を誇り、五穀豊穣、町内安全、商売繁盛などを祈願し、旭岡山神社に奉納する。
勇壮さを誇る小正月の行事です。
「ぼんでん」は、細長い5メートルくらいの先に円筒形の竹籠を取り付け、それに色彩豊かな麻糸などを垂らし、注連縄とご弊を捧げます。
頭の上には意匠を凝らした武者人形や干支などの飾り物を付けています。
祭り当日は、各町内や職場から、揃いのはんてんを着た若者達が参加し、法螺貝を吹きながら、掛け声も勇ましく、ぼんでんを担いで神社本殿を目指して進みます。
前日には市役所の前で勢揃いしたぼんでんコンクールも見どころの一つ。
大曲市(合併後・大仙市)伊豆山神社では、川を渡る梵天も行われ、雪と雄物川に映えて、絵のような美しさである。