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このシリーズは、四季を彩る日本各地の花の便りをお伝えします。
今回は、東京都内で最も美しいと言われる桜の名所「千鳥が淵」の春を紹介します。
200本を超えるソメイヨシノが一斉に花開く
大都会の中心に位置しながら豊かな緑に恵まれた皇居。その北西に水をたたえる千鳥ガ淵は江戸城築城の折、日比谷方面に流れる川を内堀として整備したところです。今では都内有数のサクラの名所で、堀の水がぬるみ陽の光をまぶしく照り返す春ともなれば、ソメイヨシノなど260本ほどのサクラがいっせいにほころび、訪れた人々を夢幻の世界にいざないます。
サクラのトンネルと化した緑道をそぞろ歩きするのも風流、掘割に降りボートに揺られれば水面を漂う散りザクラにもしみじみとした春の風情を堪能できるでしょう。
ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの自然交配種で、江戸末期、園芸業者が集まっていた現在の豊島区駒込辺りとされる染井村で誕生しました。生長がとても早く丈夫なのが特長で、葉が出る前に淡紅白色で径4㎝前後の花を1芽に3~4枚つけます。明治以降急速に普及し、今や全国で見られるサクラのほぼ8割をソメイヨシノが占めています。
<学名>ソメイヨシノ:Prunus×yedoensis/エドヒガン:Prunus pendula/オオシマザクラ:Prunus lannesiana var.speciosa
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