ドローンが捉えた全国の景勝地の風景をシリーズでお届けします。
今回は日光国立公園に位置する奥日光・湯ノ湖の風景です。

陽春の光を浴びる湯ノ湖

5月19日朝9時30分、陽春の光を浴びる湯ノ湖。釣り人たちを下に一気に120mまで上昇。男体山を眼前に湖面の上空をゆっくり左旋回。釣りボートに向かって下降。光り輝く湖面を捉える。湯ノ湖の朝の最も美しい時間だ。(撮影日:5月19日)

<湯ノ湖>

日光最奥の湯本温泉街のすぐ南に横たわる湯ノ湖は、北東に聳える三岳みつだけ(1945m)の爆発で流れ出した溶岩が湯川を堰止めてできた火山性堰止湖だ。

湖面の標高は中禅寺湖より200mほど高い1478mで最大深度13.5m、広さは南北1㎞、東西300mほど、周囲約3㎞。東岸に車道が通じるが、周囲はアスナロやウラジロモミなどのうっそうとした原生林に覆われ、山深い趣がよく保たれている。

湖畔には一周できる自然探勝路が通じ、5月以降さまざまな草花との出会いを楽しめるす。湖南端では落差約50m、幅25mの湯滝が豪快に水を落とす。この滝壺付近から戦場ヶ原への探勝路が通じ、水はこれに沿って戦場ヶ原を縦断して竜頭滝を流れ落ち、中禅寺湖に注ぎ込む。

東岸北寄りで半島状に湖面に突き出たところを兎島といい、ここにも一周800mほどの探勝路が通じている。 ここは「日本のフライフィッシングの聖地」といわれ、解禁になると多くの釣人で賑わう。明治時代、イギリス商人トーマス・グラバーが奥日光の川にマスを放流して釣りを楽しんだのが始まりで、毎年全国規模のフィッシングフェスタが開かれ、水産庁関連の外来マス類生態調査エリアにもなっている。

文: 藤沼 裕司 Yuji Fujinuma

フリー編集者、記者。動植物、自然、歴史文化を主なテーマに活動。

ピアノ: 水城雄 Yu Mizuki

1957年、福井県生まれ。東京都国立市在住。作家、ピアニスト。音読療法協会ファウンダー、現代朗読協会主宰、韓氏意拳学会員、日本みつばち養蜂(羽根木みつばち部)。
20代後半から商業出版の世界で娯楽小説など数多くの本を書いてきたが、パソコン通信やインターネットの普及にともなって表現活動の場をネットに移行。さらに2001年にみずから現代朗読というコンテンポラリーアートを打ち立て、マインドフルネスと音楽瞑想の実践を深め、2007年にはNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)と出会い、表現活動の方向性が確定する。表現と共感、身体と感覚、マインドフルネスと瞑想の統合をめざし、いまこの瞬間のナマの生命のオリジナルな発露をテーマに表現活動と探求の場作りをおこなっている。