あわただしい日常は忘れて、ゆったりした時の流れに身をゆだねてみたい。そう思う人にお勧めしたいのが旧街道を巡る旅。初めてなのに、なぜか懐かしい。ちょっと不思議な気分も味わえるはずです。今回は東日本編です。

会津西街道・大内宿

(あいずにしかいどう・おおうちじゅく) 福島県南会津郡下郷町大字大内 

タイムトリップ気分を満喫できる茅葺きの宿場町

会津若松と日光を結ぶ会津西街道は、かつて会津藩が参勤交代に使っていた道でした。

福島側では『下野街道』『南山街道』、栃木側では『会津街道』『日光街道』とも呼ばれ、現在の国道121号などがこれとほぼ重なります。

街道随一の見どころは、湯野上温泉西側の山中にひっそりとたたずむ大内宿。清らかな湧き水の流れるかつての街道脇には50戸近い茅葺きの家々が建ち並び、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。

時間があれば、集落内の民宿でのんびり一夜をすごすのがお勧め。東京方面からは磐越道経由より、東北道・白河ICから国道289号を行くのが早道です。

<アクセスガイド>
磐越道・会津若松ICから国道118号などで約33km
会津鉄道・湯野上温泉駅からタクシーか乗り合いバス(4~11月)
大内宿観光協会 ☎0241・68・3611
https://https://ouchi-juku.com/

北国街道・海野宿

(ほっこくかいどう・うんのじゅく) 長野県東御市本海野845

養蚕で栄えた立派な家並み

加賀前田藩の大名行列や佐渡で産する金銀、さらには善光寺参りの人々が行き来していた北国街道。明治以降、街道の賑わいは失われてゆきますが、ここ海野宿では旅籠の広い2階部屋を利用してカイコを生産。生糸の一大産地として発展してゆきました。

街道沿いに残る家並みの多くは養蚕で財をなした人たちが建てたもの。軒先に立ち上がる立派な“うだつ”に往時の繁栄がうかがえます。

<アクセスガイド>
上信越道・東部湯の丸ICから約5km
しなの鉄道田中駅からタクシー(約5分)
東御市観光協会 ☎0268・62・1111
https://tomikan.jp/genre/see/unnojuku/

千国街道・塩の道

(ちくにかいどう・しおのみち) 長野県大町市木崎9640

上杉謙信が敵の武田信玄に塩を送った道

信州の松本盆地から日本海へ延びる千国街道は典型的な塩の道です。戦国の武将、武田信玄が太平洋側からの経済封鎖(塩留め)を受けたとき、宿敵の上杉謙信は領内の千国街道を通って塩が運ばれるのを容認。『敵に塩を送る』のことわざはこれに由来します。姫川渓谷をゆく現在の国道や鉄道と違い、昔の街道は洪水被害などを避けるため、県道433号沿いや小谷温泉側の山中を通っていました。

<アクセスガイド>
長野道・安曇野ICから約60km、北陸道・糸魚川ICから約39km
最寄り駅は大糸線・千国駅など
小谷村観光連盟 ☎0261・82・2233
https://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/trekking/shionomichi/index.html

中山道・奈良井宿

(なかせんどう・ならいじゅく) 長野県塩尻市奈良井

『奈良井千軒』と謳われた宿場

中山道のうち木曽路と呼ばれるのは、急峻な木曽谷を抜けていく22里(約90km)の区間。観光地としては妻籠(つまご)や馬籠(まごめ)の宿場町が有名ですが、それ以外にも昔懐かしい街道風景が数多く点在しています。

そのひとつが木曽11宿の北から2番目に位置する奈良井宿。南に難所の鳥居峠があったことから宿泊する旅人が多く、往時は『奈良井千軒』とも謳われるほどの賑わいだったといいます。

<アクセスガイド>
中央道・伊那ICから国道361号・権兵衛トンネル経由で約22km
中央本線・奈良井駅からすぐ
奈良井宿観光協会 ☎0264-34-3160
https://www.naraijuku.com

東海道・薩埵峠 

(とうかいどう・さったとうげ) 静岡県静岡市清水区由比西倉澤 

安藤広重の絵そのままの眺め。

東海道五十三次の宿場町、由比と興津の間にある標高244mの小さな峠越え。

当時から富士の眺めは東海道一との評判で、展望台からは広重の『東海道五十三次・由比』と同じアングルで駿河湾越しの富士の姿を楽しむことができます。

展望台脇の駐車場は休日にはかなり混雑。由比駅と興津駅からはハイキングコース(所要:約2時間30分)があるので、昔の旅人気分で歩いてみるのもいいでしょう。

<アクセスガイド>
東名高速・清水ICから約10km
最寄り駅は東海道本線・由比駅または興津駅
静岡市清水駅前観光案内所 ☎054・367・9613


➡️一度は見ておきたい旧街道の風景 西日本編