四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年5月14日、奈良県葛城市で行われる當麻寺の練供養です。
写真・文 : 森義人 Yoshitoshi Mori
一般に「お練り」とか「練り供養」と言われる行事は、正しくは「聖衆来迎練供養会式」といわれる。
平安時代の中頃、比叡山の横川にいた恵心僧都が始めたと伝えられています。
当時は迎講の名で呼ばれていた。極楽往生を願う人々のもとに阿弥陀如来の使いとして観音菩薩と勢至菩薩がやってきて、極楽へ迎えてくれる有様を見せる物です。
会式は極楽堂と娑婆堂の間に長い板橋を架け、楽人の篠笛の中、この橋の上を浄土宗派の僧や面を被った25菩薩が極楽道から娑婆堂へと向かいます。
行列は花かごをもった天神2人が先導し25菩薩の内22菩薩が続く。
娑婆堂で元視和讃の読経の中、中将姫像を観音菩薩の蓮座に写し、今度は観音菩薩を先頭に25菩薩が極楽堂へと帰って行きます。