四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年8月に熊本県山鹿市でおこなわれる山鹿灯籠まつりです。

ハイライトは千人灯籠踊り

景行天皇が急雨秋雨巡行の折、菊池川をさかのぼって山鹿に上陸しようとされたが、辺り言いたいに白霧が立ち、御一行の行く手を阻んだため、山鹿のひとたちが松明を持って無地天皇ご一行を案内した。それ以来、里人たちは大宮神社に天皇をまつり、毎年灯火を奉納している。現在は灯火ではなく灯籠を奉納している。

山鹿灯籠は木や金具を一切使わず、和紙と少量の糊だけで作る。柱や障子の桟にいたるまで中が空洞である。また、独自のスケールで作られ、単なるミニチュアではないほど精密で、芸術品とも言える。

千人の女性たちが灯籠を頭に乗せ幻想的な踊りを見せるハイライトのひとつ「千人灯籠踊り」が山鹿小学校グラウンドで午後9時ごろより始まる。

<2023年山鹿灯籠まつりの開催について>

■開催日:令和5年8月15日(火)・16日(水)
■開催地:熊本県山鹿市内
■主な行事(予定)
8月15日(火) 
 花火大会
 おまつり広場でのイベント(国道325号線沿いでの踊りなど)
8月16日(水) 
 おまつり広場でのイベント(国道325号線沿いでの踊り)
 千人灯籠踊り
その他、神事(奉納灯籠、火熾しの儀)についても、例年通り実施します。

■千人灯籠踊りについて
日 程:8月16日(水) 20:00~21:00(予定)
会 場:山鹿市山鹿小学校グラウンド

■問い合わせ:山鹿商工観光課 Te:0968-43-1579
山鹿探訪なび 
https://yamaga-tanbou.jp/info/18972/

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。