四季の巡りと暮らしの節目に、神に祈り、祭りを行う。人々の熱き心、ほとばしる想いの瞬間を、写真家・森井禎紹が切り取ります。今回は毎年11月23日、兵庫県三田市で行われる百石祭りです。

発祥は雨乞いから

各氏子が、その年に収穫したもち米で作った小餅を神前に供え、神主が五穀豊穣や家内安全の祝辞を唱えるといった一連の儀式が行われます。

午後1時頃から新発意(しんぼち)と呼ばれる法衣を着た大親法(おおしんぼ)・小親法(こしんぼ)を始め、太鼓踊り子、旗踊り子、鉄砲方、鬼、山伏、笠幕持ち、幟持ちなどにより構成される百石踊りが始まります。

百石踊りは、文亀3年に起こった大干ばつの時、元信という遊行僧が八幡神に雨乞いを祈願したところ、雨が降り、その返礼のため踊られたことに由来します。

この踊りを奉納するのに米百石分の費用がかかったことから、この名前が付いたと言われています。

百石踊り

開催日: 11月23日
開催地:兵庫県三田市神本庄駒宇佐八幡神社
問い合わせ:三田観光協会 TEL:079-561-2241

写真・文: 森井 禎紹 Teiji Morii

写真家。1941年生まれ。兵庫県三田市出身。1964年頃より趣味で写真を始める。写真コンテスト、カメラ雑誌月例コンテストに応募、入選回数362回を数える。1990年プロに転向、ライフワークとして日本全国の祭りを取材。『祭りに乾杯』『祭り旅』『祭り日』他多くの写真集を出版。現在、社団法人写真家協会(JPS)会員、一般社団法人二科会写真部常任理事、兵庫県写真作家協会最高顧問など。